現地法人・支店・駐在員事務所、イタリア進出 する際の形態はどれにするべき?

4月 18, 2024

こちらの記事では イタリア進出 を企画されるあたり、比較検討されることが多い、現地法人(子会社)、支店、そして駐在員事務所の形態をご紹介いたします。

イタリア進出 :企業形態の主な違いについて

現地法人支店駐在員事務所
正式名称
(イタリア語)
SussidiariaSede secondariaUfficio di Rappresentanza
営業活動特に制限なし制限ありリサーチ、マーケティング
活動のみ
VATナンバー
の発行
ありありなし
資本金最低1万ユーロなしなし
管理費企業の規模と企業形態
(SRLまたはSPAである
かによる
現地法人と比べ
若干低い傾向がある
低い
銀行口座
の開設
可能可能可能(制限あり)

イタリアで現地法人(子会社)の設立

イタリアでの現地法人の設立は比較的シンプルな手続きであり、出資者が日本国籍である場合、制限などは殆どありません。

現地法人を設立する際には、SRLまたはSPAのどちらかの形態で設立できます。

  • SRL:日本の合同会社に似た企業形態
  • SPA:日本の株式会社に似た企業形態

なお、SPAと比べ、SRLの管理は比較的シンプルであり、管理費のコストも抑えることが可能であるため、イタリア進出される際の殆どのケースではSRLを選択することが多いです。また、SRLの企業形態で進出し、ビジネスが安定し規模を拡大する際にSPAへと切り替えることも可能です。

税務観点からの違いは殆どありませんが、SPAの場合、監査役または監査役会の設置などが求められるため、これらのコストが加算し管理費が高くなります。また、SRLの場合、売上がある一定の金額を超えた場合などには例外として監査役の設置が必要となりますが、殆どのケース(特に進出されてからの期間が短い場合など)には監査役の設置は求められません。

設立手続きから営業活動の開始までのおおまか流れ

  1. 必要書類が揃え次第、公証役場にて現地法人の設立手続きを行います。
  2. 公証役場での設立手続き後、公証人が新会社を商工会議所に登録します。
  3. 会社の登録が完了された際には、会社登記簿謄本(Visura Camerale)が取得でき、この時点で法人口座の開設ができます。
    また、企業が行う活動によっては、SCIAと呼ばれる手続きなどを行う必要があります。SCIA手続きは主に新企業を担当される税理士事務所が行う手続きであり、この手続きが完了され次第、営業活動を開始できます。

イタリアで支店の設立

現地法人と比べ、支店の設立には必要書類が多いと言えます。

支店の場合、会社の定款や規定などは、本社のものを利用するため、これらの書類は全て法定翻訳する必要があります。設立の際に必要書類が多いため、現地法人とくらべ設立までの期間が若干長くなるケースが多いです。

なお、支店の場合、現地法人と違い設立の際には資本金は必要ありません。

イタリア支店を設立する際の注意点
イタリア支店は本社が行う活動のみを行えます。例えば、本社の企業目的がアパレルの販売である場合、イタリア支店がレストランの経営を行うことはできません。

設立手続きから営業活動の開始までのおおまか流れ

  1. 必要書類が揃え次第、公証役場にて支店の設立手続きを行います。
  2. 公証役場での設立手続き後、公証人が支店を商工会議所に登録します。
  3. 会社の登録が完了された際には、会社登記簿謄本(Visura Camerale)が取得でき、この時点で法人口座の開設ができます。
    また、企業が行う活動によっては、SCIAと呼ばれる手続きなどを行う必要があります。SCIA手続きは主に新企業を担当される税理士事務所が行う手続きであり、この手続きが完了され次第、営業活動を開始できます。

イタリアで駐在員事務所の設立

駐在員事務所の場合、マーケティングと市場調査のみの活動が認められており、営業活動などは一切できません。また、営業活動が認められていないためVATナンバーも取得できません

駐在員事務所の場合、管理コストが現地法人と支店と比較し圧倒てきに低いという点が最大のメリットです。また、本社からイタリア駐在員事務所に出向者を送ることも可能であるため、正式に イタリア進出 をする前に、駐在員事務所を通してイタリア市場を調査し、マーケティング活動を行うには最適の形態であると言えます。

なお、駐在員事務所の設立後、イタリアでも営業活動を行うために現地法人または支店を設立することは可能です。

イタリア駐在員事務所の設立手続きについて

  • 必要書類が揃い次第、商工会議所に登録します。
  • 登録申請から手続きが完了するまで半日~数日程かかります。
  • 登録が完了され次第、商工会議所から登録証明が発行されます。
  • 登録証明が発行され次第、イタリア駐在員事務所の活動を開始できます。

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