派遣労働者のための労働許可証
一時的にイタリアで就労予定の方々のためのさまざまな種類の労働許可証が利用可能となっております。イタリア派遣労働者用の労働許可証を申請される場合、イタリアの会社と雇用関係を結ばず、現在の雇用主(イタリア国外の会社)との雇用関係を維持する必要がございます。
はじめに
EU加盟国以外の国籍者は、イタリアで就労する際に就労許可証を取得する必要があります。
イタリアの労働目的のイミグレーションはクォータ制となっており、毎年公布される Decreto Flussi (デクレト フルッシ)により制限されております。Decretto Flussi の内容は主に労働許可の申請が可能であるカテゴリーとその発行リミット数を示します。申請数が限られているので、Decretto Flussi が発表され次第、お早めの申請をお勧めいたします。少数ではありますが例外カテゴリーもあり、高資格の労働者、派遣労働者、イタリアにある企業の役員、大学講師、教授、翻訳者、通訳者、看護師、研究者などのカテゴリーは申請数の制限はございません。
就労許可証の申請手続きについて
各カテゴリーによって労働許可証申請の要件は多少異なりますが、就労許可を得るための基本的な手順は次のとおりです。
労働許可証 -Nulla Osta – (ヌラオスタ)を雇用者側がオンライン申請
イタリア領事館でビザ申請
イタリアに入国後、8日以内に移民統合局 (Sportello Unico per l‘Immigrazione) へ行き滞在契約書(contratto di soggiorno) にサインし、滞在許可証 (permesso di soggiorno)を申請
企業内派遣 | 高度人材スペシャリスト・シニアマネジャーなどの企業内派遣はイタリアの移民法第27条1項(a)に定められています。この手続きにより、幹部、上級管理職または高度人材スペシャリスト等の役割を持つEU加盟国以外の国籍者を、イタリアの子会社、支店または関連会社(グループまたはジョイントベンチャーグループにも含む)に一時的に(最長5年間)派遣することが可能です。
こちらの手続きは主にイタリアに本社または子会社を持つ企業内の高度人材スペシャリスト、シニアマネジャーなどに適用されます。WTO加盟国の領土内で活動する海外企業の代表事務所、およびイタリアにあるEU企業・イタリア企業に派遣される場合にも適用されます。 |
ICT・MobileICT労働許可証 | 高度人材スペシャリスト・シニアマネジャー・研修生などの企業内派遣はイタリアの移民法第27条5項、6項に定められています。派遣前に最低3カ月以上派遣元就労経験が必要です。高度人材スペシャリストとシニアマネジャーの場合最大3年間の労働許可証が発給され、研修生の場合1年間有効な労働許可証が発給されます。
他のEU加盟国が発給したICT就労許可証の所有者が一時的にイタリアに設立された同グループの会社に派遣される場合にMobile ICTが適用されます。こちらの労働許可証を申請する際には、イタリアに入国する際にビザを申請する必要はございません。180日以内に90日間Mobile ICTでイタリア国内で労働が許可されます。それ以上の場合、イタリアでICT労働許可証を申請することとなります。これらのプロセスで発給された許可証は、Permesso di soggiorno ICT、またはMobile ICTと呼ばれています。 |
業務委託契約 | 派遣先が同グループでない場合には、イタリア移民法第27条(i) に定められている業務委託契約が適用されます。一時的にイタリアに派遣され、派遣元とイタリア国内の企業との間で締結された契約に基づいてサービス・活動を行う際に申請が可能です。派遣元がEU圏内の企業の場合はファストトラック手続きが可能となっております。他のEU加盟国で発給された労働許可証を所有している場合、EU雇用主とイタリア国内の企業との間の業務委託契約に基づいてイタリアに移転することが可能です。この場合、労働許可証の申請は必要ございませんが、イタリア国内の企業が管轄内の入国管理局に通知する必要がございます。
業務委託契約は最長4年間まで発給されます。業務委託契約の基イタリアに従業員を派遣する外国企業は法令136/2016(EU指令2014/67)に定められている義務をすべて満たし、派遣労働者の届出書(notifica di distacco)などの書類の提出が求められます。 |
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She is a Legal Counsel and she holds a Ph.D in Law (University of Bologna). She is specialized in European Union Law and she is the Head of the Japanese Desk and Spanish Desk. She is mother tongue Japanese and Spanish and speaks fluently Italian and English.